皆様ご無沙汰しております、XCREAMのクリちゃんでございます。AVの世界では主に同人界隈に焦点を当ててウォッチングしているワタクシですが、目まぐるしく状況が変化する同人シーンにおいて、新法施行のドタバタから少し落ち着きを取り戻しているかのように見えます。
例えば幣サイト「XCREAM R18」でも新法に対応した出演契約書を提供させていただいていたり(https://www.xcream.net/blog/archives/8722)、他のサイトも新作をアップロードする際に出演者の年齢がわかる身分証や出演契約書を提示するようになったりと、プラットフォーム側が販売者に対しての働きかけを現在進行形で進めている状況です。そのおかげで販売者は法律を遵守し、安心して映像制作、販売ができるようになりつつあります。
しかし動画販売も競合他者よりも多く売りたい!という競争の世界。適正AVのように審査機関もないため、自己判断により「ここまでならセーフだろう」という思いがエスカレートして、表現や内容などが度を超すことも少なくありません。中でもXCREAM R18が注意喚起をしたいのが「モザイク濃度」です。
配信サイトやファンクラブサイトを利用している方にも心当たりがあると思いますが、ここ最近はモザイク濃度が極端に薄い作品を多く見かけます。この記事をご覧いただいているかもしれない同人の制作・販売関係者の中にも、もしかしたらハッとする方がいるかもしれません。
今回はXCREAM R18で動画販売をされている加盟店の皆様におかれまして、この「モザイク濃度」についてより一層のご注意いただきたいという思いと、幣サイト加盟店様以外の制作・販売者様、ファンクラブサイトを利用している裏垢女子の皆様などにも、広く周知いただければという思いで書き進めてまいります。
ずばり「うす消し」は違法でノーモザイクと同じと考えましょう
男性器・女性器へのモザイクはただ「かかっていればいい」というものではなく、法律に基づいて「しっかりと隠す」目的でかけなければいけないのですが、かかってはいるけれど「もうこれほとんど見えちゃってるじゃん」って薄さのものがかなり増えているというのは前述したとおりです。
もちろん程度にもよるのですが、薄くし過ぎると「見えちゃってる」ものと判定され、いわばノーモザイク同様販売・流通させると猥褻物陳列罪、猥褻物頒布罪などに問われ、逮捕されるのです。つまりれっきとした犯罪となります。
ただ、特に個人で制作・販売しているような場合、明確な基準を示してくれるような機関や教えてくれるような人も周りにいないため、完全な自己判断になります。さらに参考のためにとサイトを見回すと、かなり攻めたモザイクの作品も散見されてしまう…こうなると「ここまでならセーフなのかな?」と思い違いをしてしまうのもあり得る話です。
あとはうす消しで販売本数が伸びてしまうと、感覚が麻痺してしまって後に引けなくなってしまうというパターンもあります。しかし、もう一度念を押して言いますが、度を越してしまうと逮捕されてしまうのです。
では「モザイクの適正な濃度」ってどれくらいなの?
いわゆる法令遵守のメーカー製「適正AV」では、いくつか存在する審査団体に映像やジャケットなどを厳正にチェックしてもらい、指摘された部分を修正して完成へと至ります。つまりこの審査基準がわかれば個人・同人の制作・販売者も法に触れない濃度でのモザイクを目指せるのですが、各審査団体にはそれぞれ明確な判断基準があっても、それを外部に公表することがありません。
ではどうすればいいのか?一番わかりやすいのは、画面上にIPPA(知的財産振興協会)のウォーターマークが表示されているような、メーカー製の「適正AV」を見てみることです。個人制作のものよりもかなり濃い目にモザイクがかけられていることがわかります。ちなみにワタクシが以前関係者から聞いたことがあるのは、性器の「ツヤ」などの質感、形状が判別できる程度の濃度はNGになるとのこと。
あと気をつけなければいけない部分をざっと挙げると…ブラー(ぼかし)よりもモザイクが確実だし基本です。ブラーだともはや塗りつぶしてるくらいの強さでかけないと、結構なにやっちゃってるかわかってしまうので。
それと性器へのカメラの「寄り」と「引き」でモザイク濃度を変えなければなりません。引きの状態でかけた濃度のまま、寄りの性器に同等の濃度でかけるとうす消し状態になってしまう危険があるのです。作業が立て込んでいて忙しい時などはついつい同じ濃度でかけようとしてしまうかもしれませんが、面倒がらずにしっかりと濃度を使い分けて作業しましょう。
また、厳しいサイトだと「範囲」についても注意されます。これはワタクシも実際に注意されましたが、性器ギリギリにかけていた(決してはみ出してはいない)シーンについて注意を受け、修正データを再納品するまでは販売保留とされました。ちなみに完全に性器が隠れている前貼りも、ギリギリまで攻めているようなものはNGをくらいますし、サイトによっては前貼り自体がNGだったりもしました。
映像だけでなくサムネイルについても注意が必要です。大きな画面・画像でモザイク処理した写真が、実際にサムネイルのサイズに縮小されると消しが入っていないように見える場合があります。こうしたことを防ぐため、サムネイルの消しはハートマークなどのスタンプで入れる方が確実です。
最後に、見せたい気持ち、売りたい気持ちはわかるけれど…
幣サイトとしては加盟店様やご利用しているお客様を守るためにも、今回「モザイクうす消し」についての注意喚起をしてきましたが、それでも「他よりも目立ちたい」「売上を上げたい」という思いを捨てきれないかもしれません。しかしその先に実際に逮捕されてしまうかもしれないこと、そうなったときに失うものの大きさ、多さなど、今一度想像力を働かせてみてください。
そしてXCREAM R18は「モザイクの薄さ」で勝負してはいません。個人もメーカーも、王道もフェチもマニアも、すべての制作者の「クリエイティブ」に重きを置き、プラットフォームを提供する側の観点から皆様の活動の支援に努めてまいります。どうかご理解・ご賛同いただき、共にこのシーンを盛り上げていければと切に思っています。