同人AVの歩き方 ~ステップ②:撮影機材準備~

春ですね、花粉の季節ですね。自分も花粉症でこの時期悩まされるのですが、女子がグズグズしてる表情や仕草などを見ると「おおっ!」と見入ってしまいます。これはもしや新しい性癖か…!?というわけで毎度お騒がせしております、XCREAMのクリちゃんでございます。今回はシリーズ企画「同人AVの歩き方」から、撮影機材の準備についてお送りしていこうと思います。

「撮影機材」なんていうとちょっと構えてしまいそうですが、カメラをはじめとした照明やその他機材はいまやプロやマニアのためのものではなくなってきています。近年YouTubeをはじめ、TikTokなどの動画系SNS、ライブ配信アプリなどが盛り上がり続ける中、コロナ禍によってさらに始める人も増加し、機材の需要も高まっているのが現状です。

また、女性の動画配信者が増えていることから、操作も簡単で編集作業からSNSのアップロードまで見越してフォローしている、初心者にもやさしいカメラも発売されていて、その敷居はどんどん下がってきていると言えます。こうした需要の高まりは、様々な新商品の登場にもつながりますし、中古も流通することでどんどん選択肢が広がるというわけです。

ひとくちに「機材」っていうけど最低限何が必要?

機材というとまず最初にカメラが思い浮かびますが、それは作品が発売されるまでの工程のひとつのステップで使用するものであって、他にも必要なものがもちろんあります。ざっくり言うと以下の3工程で、必要なものも異なります。

①撮影……カメラ/照明器具/三脚
②編集……パソコン/編集・モザイク処理ソフト
③アップロード…インターネット環境

①のカメラについては後で詳しく説明していきますが、照明や三脚は、本格的に使えるもので5,000円前後で買えるものもあれば、最近だと女性向けの自撮り用に展開しているダイソーや3COINSなどで買えるさらにリーズナブル(数百円レベルで結構しっかりしてる!)なものもあり、とりあえず始めたいっていう人のための間口がグッと広がっています。

②の編集ではパソコン+編集・モザイク処理ソフトが必要となります。ソフトはMacユーザーならPremiere Pro(サブスク課金)やFinal Cut Pro、Windows PCだと同じくPremiere Proや、昔からAV業界で使われていたEDIUS、他にも比較的買いやすいTMPGEnc Video Mastering Worksなどがあります。ソフト購入の際はメーカーが推奨してるPC環境と、自分が持ってる、または買おうとしてるパソコンのスペックを確認してからにしましょう。ちなみにモザイク処理の必要がないようなフェチ作品や、必要であったとしてもモザイクがあまり激しく動かないものであれば、スマホやタブレット端末のアプリで頑張ってる方もいるようです。あるもので何とかしようとする人、僕は好きです。

③のアップロードに関しては、インターネット環境がないと話になりません。光回線など通信速度が早ければ早いほど快適ですが、そもそも光回線を導入できないマンションなどもあるのが悩ましいですね。僕の家がまさにコレですが、朝から夕方までの回線が混みあわない時間に作業することで何とかやり繰りしています。サイト側も週末の深夜はアクセスが集中するので特にファイルのアップロードが明らかに重くなります。爆速の光に変えたい…。

最初はスマホから始めてもいいの!?その答えは…

前回までは同人AV制作の第一歩として、「自分はどういうものを撮りたいのか」ということを考え、そこから具体的に作品コンセプトた企画立案していく流れについてお伝えしました。で、やることが決まったら早速準備に入ります。自分が撮りたい作品を形にするには、どういう機材、どういう小道具その他備品が必要になるのか…?ちょっと高くつきそうでドキドキしちゃいますよね?何ならこの段階で諦める人だっているかも知れない。でも安心してください。同人AVの世界には、既存のAVメーカーさんにはない視点で制作活動を実現・継続できている方が多くいらっしゃいます。

「スマホ一台からできる同人AV」

なんて言われると「ほんとに!?」と疑いつつも、興味を引かれませんか?でもそれができてしまうのが同人AVの世界だったりします。メーカー製のAV作品だと一定基準の映像・音声クオリティをクリアしなければいけませんが、同人AVの場合、制作する段階ではスマホを使おうが映画が撮れちゃうようなシネマカムを使おうが、決めるのは自分なのです(販売されてから「売上本数」という名のお客様からのジャッジは下されますが)。

もちろんいい機材を使えばキレイな映像、クリアな音声で撮れます。しかし僕らが配信サイトでどの動画を買おうか選ぶ時、どんなところを気にしてますか?最近では細分化が進み、高画質モノなどこだわったものも多いですが、何より見たいのは「生々しさ」だと思うのです。あくまで個人の意見ですけど、共感する人も多いかと思います。つまり、いかにも「個人で作りました」っていうのがにじみ出てる方がリアリティがあって興奮する、という層が一定数、というか多数存在するのです。

そういう意味では「スマホ」という今や誰もが持っている端末で撮られていうということ自体に共感と、もしかしたら自分も…というファンタジーと感情移入が生まれるし、映像に不具合な点があっても「リアル」と好意的に受け入れられやすいのです。そもそも今のスマホって十分画質がいいですしね。

ここまで言うと、「じゃあスマホでいいじゃん!」ってなると思いますが、それはあくまで素人っぽさを追求した場合の話。例えば脇や足の裏、パンストやウェット&メッシー等々…パーツや質感にこだわった作品だったらどうでしょう?もちろんスマホでも撮影できますが、より描画性能が高いビデオカメラや一眼レフとレンズをそろえた方が、自分も視聴者も納得がいく作品になる事でしょう。また、ハメ撮りなど手持ちの撮影が多い場合は、強い手振れ補正がついたGoProに代表されるアクションカムも有効です。

というわけでここからはカメラ機材に焦点を絞って、その特徴や用途を見ていきましょう。

 

▼▼▼一眼レフ派▼▼▼

何故か多いですよね、一眼レフで同人AV撮る人。でも確かに大きなメリットがあります。まずは何といっても画質の良さ。絞りや露出、様々な用途のレンズ等々、撮りたいものに合わせて細かな設定ができるので、自分が作りたいものに明確なビジョン、こだわりがある人にオススメでしょう。また、動画だけじゃなく、宣伝や作品紹介に使うのはもちろん、販売できるレベルのスチール(写真)を撮影できるっていうのも大きな利点。動画も写真もどっちも!って方にオススメです。

ちなみに一眼レフといっても種類があって、ざっくり言うと「フルサイズ」と「APS-C」というのがよく使われています。これらは写真や映像の質に関わる「センサー」という部分によって分類されます。「フルサイズ」は文字通り最も大きいサイズで、一度に取り込める光の量が多いため諧調の幅広さ、つまり表現力が高い機体。「APS-C」はセンサーサイズは小さくなるものの、その分ボディの小型化、軽量化ができるため機動力が上がり、価格もリーズナブルとなります。

これらは本体の性能だけでなく、レンズによっても映りが変わってくるので、こだわり出すと文字通り「沼」にどんどんハマっていきます。僕もずっと「APS-C」機を使ってましたが、ついに「フルサイズ」デビューしました。撮るのが楽しいです。

[向いているジャンル]
・フェチ(高い描画性能で細かなディティールまでくっきり!)
・ハメ撮り(手持ちだと重くて疲れるので三脚でアングル固定!)

・屋外撮影(一眼レフならではの背景ボケで美しい映像に!)

 

▼▼▼スマホ派▼▼▼

何といっても手のひらサイズゆえの取り回しの良さが魅力。手持ち撮影はもちろん、三脚などに固定しての撮影も非常にラクなのが魅力です。型落ち機種や中古品などを狙えば、撮影に十分なスペックの端末を安価で複数所持することもでき、複数アングルの撮影も実現させやすいのが嬉しいですね。

iPhoneかAndroidか論争がありますが、動画データはサイズが大きいためSDカードが使えるAndroidの方がいいかも…と個人的には思います。iPhoneの場合はストレージ容量が大きくなると端末の値段も高くなりますし、中古でもそこまで値段が落ちませんから。

デメリットはずばり手振れでしょうか。ハイエンド機になれば強力な手振れ補正も付いてたりしますが、現状ほとんどの端末にそれは期待できないと言えます。手持ちの場合はワキをしっかりしめてブレないように人力手振れ補正に注力するか、三脚を使っての固定アングルで画作りをしてクリアしましょう。

ちなみにツワモノになると完全にスマホだけで完結させることにこだわってる人もいて、編集やモザイク処理、アップロードまでスマホ上で行なうそうです。何だかこう聞くと便利そうではありますが、実際に作業してみると大変そうですね…。

あとは…出演してくれるモデルさんによっては、「えぇ…スマホで撮るの…?」という感じになることがあります。「はいはいウチらコレが普通ですからね~」と開き直れる、ある意味こちら側のメンタル面の強さが要求されたりします(笑)

[向いているジャンル]
・素人(ケータイならではのリアリティ!)
・ハメ撮り(手振れ注意!しかしそれ含めて生々しい!)

 

▼▼▼アクションカメラ/Vlogカメラ▼▼▼

これも最近増えてきている印象です。アクションカメラの代表格であるGoProは手のひらサイズでありながら高画質でもありつつ、もはや「ジンバルいらず」と言われるほどの強力な手振れ補正を本体に搭載しています。また、DJIのOSMO POCKETはジンバルと一体化しているので動きのある撮影で威力を発揮、コンパクトなサイズも魅力です。

一方Vlogカメラの代表格であるSONYのVLOGCAMは、ミラーレス一眼レフのようなサイズ感。背景ボカシなど一眼レフのような画面効果から各種フィルターといった、「イマドキ感」溢れる動画撮影に適した機能を多数搭載しています。女性に人気な印象ですね。

これらは撮影機材をコンパクトに抑えつつクオリティも保ちたい、または機動力を必要とする作品を作っている、そんな方にピッタリなカメラです。

[向いているジャンル]
・屋外撮影(アクションカムなら動きがある場面でもへっちゃら!)
・ハメ撮り(アクションカムは強力な手振れ補正、Vlogカムは取り回しの良さ!)
・フェチ(寄り引きの大胆な動きがしやすい!)

 

▼▼▼ビデオカメラ▼▼▼

実を言うと…安定したクオリティで動画撮影をしたいなら、結局のところ専用機であるビデオカメラがいいのかもしれない、そう思う時があります。今や家庭用のビデオカメラでも4K撮影できるのなんて当たり前ですし、一眼レフに比べて動画に特化してる分操作も分かりやすいですし、手持ち撮影を前提にしてるのでしっかり手振れ補正だって付いてます。あれこれ難しいことを考えたくない場合にはオススメといえます。慣れてくると業務用が欲しくなっちゃうかもですが、これも中古なら意外と手が届いちゃうかも…。

[向いているジャンル]
・ちょっと影が薄いけど実はオールマイティ!

 

というわけで参考になりましたでしょうか?ゆくゆくは高価な一眼レフを…業務用のビデオカメラを…サブ機としてアクションカメラを…と考えながらも、最初はスマホでスタートして利益を少しずつ積み立て、理想の機材をそろえていくというのも成果が形になっていくようで楽しいかと思います。

あと最後に大事なことをひとつ…どれだけいい機材をそろえても、アングルや画の明るさ、編集など、「見せるべきところをよく見せていない」と全く意味がありません。つまりは「センスを磨く」ことが重要となってくるわけですが、こればっかりは日々の研究と場数を踏むしかありません。具体的には…おおっと長くなってきたのでまた次回に!